「日本は戦争に負けた」「いや負けるはずがない」―戦後、ブラジルの日系社会が勝ち組・負け組み(認識派)に分かれ、勝ち組による襲撃・殺人事件にまで発展したことはよく知られています。その後、日系社会は長く分断状態が続き、多くの日系人が傷つき、ブラジルにおける日系社会の評判も損なわれました。日系社会百余年のなかで、もっとも影響力のあった負の歴史だといえるでしょう。
共同通信ブラジル・リオデジャネイロ支局でブラジル日本移民百周年の年を迎えた名波正晴さんは、2008年前後になってようやく語り始めた事件の加害者・被害者に直接取材することによって、独自の記事を書いてこられました。さらにこの騒動に対するご関心は、ブラジルを離れてからも失われることはなく、精力的に研究会にも参加されるなどして現在に至っています。
今回の研究会では、名波さんの長期にわたる取材とご研究に基づいたお話をうかがい、「勝ち組・負け組抗争」について改めて考えてみたいと思います。
ジャーナリストが見たブラジル日系社会の勝ち組負け組抗争事件
―被害者の立場からの一考察
講師 名波正晴氏(ジャーナリスト)
日時:平成27年3月7日(土) 15:00 - 17:00
場所:立教大学池袋キャンパス12号館 第1・会議室 (アクセス)
無料 ご参加をご希望のかたはjinmonkennihon@gmail.comまでご連絡下さい。
講師プロフィール
1963年静岡県生まれ。中央大法学部卒、88年共同通信社入社、大阪支社、神戸支局、本社社会部、外信部を経て98年ハノイ支局、2001年メキシコ支局、07年から11年までブラジル・リオデジャネイロ支局。現在、編集局国際情報室次長。ブラジル駐在中は移住100周年に当たり日系社会を取材したほか、ハイチやチリの大地震、33人が地下に閉じ込められたチリ鉱山落盤事故なども現地取材した。著書に「ゆれるベトナム」(凱風社)、「検証・チリ鉱山の69日、33人の生還―その深層が問うもの」(平凡社)など。
協力 特定非営利活動法人地域文化資源ネットワーク