人文研の沖縄移民研究
segunda-feira, 03 de junho de 2019
このほど、沖縄県人会関係者の方から「ビラ・カロン沖縄県人会 創立60周年記念誌」が寄贈されました(写真参照)。440ページの盛りだくさんの内容で、読みごたえがあります。特に第II部「わがビラ・カロン沖縄県人会の歴史を語る」の座談会は、話し手の気持ちがリアルに伝わり、引き込まれるものがあります。
今から20年前、1990年代のことになりますが、当研究所にて沖縄移民研究を熱心に行っていた研究者がいました。現在、サンパウロ大学哲学・文学・人間科学部教授を務める森幸一先生です。森先生は1987年4月から2003年3月まで当研究所の研究員として在籍し、さまざまな研究成果を残されていますが、特に沖縄移民研究は代表的な研究となっており、人文研紀要第1号(1998)にも論文が掲載されています。
今回、森先生の承諾をいただき、その論文をPDF版で掲載することにいたしました。
「戦後における沖縄系移民のエスニック職業としてのクストウーラ(縫製業)ーミドルマン・マイノリテイへの道(1)ー」
さらに、その研究を進化させた論文として2011年に神奈川大学『比較民俗研究』に掲載された「サンパウロ市における沖縄系エスニックコミュニティの成立と展開過程の経済的側面‐自営業戦術の累積的連鎖を視点として‐」のPDF版も併せて掲載いたします。
「サンパウロ市における沖縄系エスニックコミュニティの成立と展開過程の経済的側面ー自営業戦術の累積的連鎖を視点としてー」
上記論文2本にはサンパウロ市ビラ・カロン地区の沖縄系コミュニティの成立過程の詳細が明快に論じられており、今回寄贈された記念誌にある座談会の内容への理解を深めることができます。