著者:
西川大二郎
出版社:
サンパウロ人文科学研究所
発行年(月):
2007年3月
ページ数:
172
寸法:
25.8 cm x 18.2 cm x 1.1 cm
重さ:
400g
概要:
[Ⅰ]序章:ある日本人農業移民の日記帳との出会い
1.初めてのブラジルでの現地調査―「松原移民」調査
2.第二の調査地点の決定の準備
3.プレジデンテ・プルデンテ市近傍を調査地点として選ぶ
4.調査地点を日系人の集団地「ミネのムラ」に決定
5.『Y日記』との出会い
[Ⅱ]「ミネのムラ」の形成とその社会経済的性格
1.「ミネのムラ」の構成
2.小生産者集団地「ミネのムラ」形成の諸条件の歴史的分析
3.「ミネのムラ」の農業経営類型
[Ⅲ]『Y日記』が語る日系農業小生産者の生産と生活
1.生産の分析から生活の描写へ
2.Yの生活史
3.『Y日記』の小さな解説
4.『Y日記』分析のための記入費目の分類と整理
5.農業生産支出について
6.家計支出について
7.食品関係支出について―日本的食体系への回帰―
8.保健、医療関係支出について
9.社会的文化的支出について
10.文化的支出について―特に新聞・雑誌・ラジオ等のメディア購入を中心に
11.宗教的支出について
12.その他の社会的文化的支出について
[Ⅳ]「ミネのムラ」の社会的特性
1.「ミネのムラ」構成員の経済的階層構成
2.出身地と渡伯時の渡航船から見た「ミネのムラ」構成
3.婚姻関係
4.子女の「日本語」教育
5.『Y日記』から見たYの家族の生活圏の構造
[Ⅴ]終章:一人の日本移民としてのYの行動と精神の軌跡
1.Yの家族が「ミネのムラ」に定着するまでの軌跡と人間関係
2.昭和23(1948)年―「ミネのムラ」へ、そしてYの独立
3.家族の不測の病気と移民社会における相互扶助関係
4.昭和25(1950)年―「故国」への送金と水害見舞い
5.昭和30(1955)年
6.サナギは成虫になった
[Ⅵ]あとがき
著者紹介:
1928(昭和3)年 東京生まれ
1952(昭和27)年 東京大学理学部地理学科卒業
1952(昭和27)年 武蔵高等学校教諭
1957(昭和32)年 武蔵大学講師
1967(昭和42)年 法政大学第一教養部助教授
1970(昭和45)年 同上 教授(地理学担当)
1998(平成10)年3月 法政大学を退職。同年4月 法政大学名誉教授
ブラジルとの関係
1959年8月~60年1月、国際移住研究会会員、海外協会連合会(現JICA)嘱託として、戦後ブラジル日本移民の社会活動調査へ。調査終了後、その背景となるブラジル社会への知識の不十分さを自覚、1959年12月~1960年6月、ブラジル側の好意によりサンパウロ社会政治学院 Escola de Sociologia e Política de São Paulo の客員研究員となる。1963年2月、国際移住研究会会員、外務省嘱託として再度ブラジル及びパラグアイの社会経済調査へ。1963年6月~1963年12月、再びサンパウロ社会政治学院の客員研究員となる。
その後、アジア経済研究所、サンパウロ人文科学研究所等を拠点として中南米研究に従事。