インターネット・ラジオ『ブラジル日和』について
大久保純子(『ブラジル日和』主宰者)
segunda-feira, 14 de julho de 2014

 インターネット・ラジオを始めたきっかけは、2005年に櫻田博氏が「現在はインターネットで簡単にラジオができる」と言明し、彼自身が2008年の日本移民100周年の時にちょうど50歳になるので、2008年に向けて何か発信したいという思いがあったものと思われる。

 その話を受けた大久保純子もかつて日本の国立国会図書館を訪問した際、自分がブラジルに来た時にはすでに鬼籍に入っていた山本喜誉司氏やコチア組合の下元健吉氏などをインタビューしたテープを聴き、新聞や人からの話でしか知る事が出来なかった故人の肉声、生の声の迫力というものに感銘を受けていたので、ラジオのインタビューというものに非常に興味が湧いていた。

 そこで2005年8月11日にベータ版の放送を始めて以来、人文研での発表(2014年5月13日)時点でトータル人数は173人、うち繰り返し出演して下さった方10人(グループ)を除くと、計163人の方にご出演頂いたことになる。その内訳は移民としてブラジルに来られた方々が137人、日本に在住し、ブラジルを訪問された方が24人、パラグアイやドミニカなどブラジル以外に住まわれている移民の方が9人、二世以上の人が8人となっている。また、すでに他界された方も13人おり、貴重なインタビューとなっている。

 ラジオの聴き方は簡単でインターネット・ラジオ「ブラジル日和」のホームページ(右図)
http://www.100nen.com.br/ja/radio/
にアクセスし、下にあるアーカイブの中から聴きたい人をクリックすると、下図のように放送時の日時や簡単な紹介文が出て来る。その最後に「それでは聴いてみましょう」の下をクリックすると、誰でも無料で聴くことができる。



 この放送を行う主旨は、やはり移民として来られた方がどんなきっかけで、海を渡ったのか、どんな生活をされてこられたのか、という貴重な話を記録しておきたいという思いからである。

 また、時の日本ではちょうど毎年の自殺者が3万人を超えるという時代背景もあり、何も死ななくても世界は広いし、こんな大変な生活や思いをして、なおかつハチャメチャな事をしても、あっけらかんと楽しく生き抜いてきた日本人がこんなにもブラジルにはいるのだという事を、少しでも日本の人たちに知って頂きたいという思いもあった。もちろん、移民だけに限らず、ブラジルが好きな人やブラジルに関係する方で趣旨をご理解して下さった方にはご出演頂いた。

 放送の形態は基本的にブラジル・サンパウロからLivedoorのネットラジオのサービスを使って生放送している。その時はチャットなどを通しての参加も可能だ。

 また、アーカイブとしては、移民の声のライブラリーを目指した「ゲストコーナー」のみがホームページに掲載されるが実は生放送では、歌手の井上祐見さんの「井上祐見のスウィート・カフェ」、サンパウロ在住の2人の女性が日常を語る「タミキー&ジュンキーのよた話」、「ブラジルニュース」などもその時々で盛り込んでいる。


サンパウロ人文科学研究所 Centro de Estudos Nipo-Brasileiros