黒い肌の女たち(5)
segunda-feira, 14 de janeiro de 2008
チア・アナ
セアラーの奥地で起きた暴動です。その暴動を主導したのがアナでした。戸外のドレイを全員逃亡させたのですが、そのために見せしめとしてセニョールは、家内のドレイを全員殺してしまいました。暴力的で高圧的なセニョールが多い地方で、判事に土地を売らなかったジェロニモという小農の男を逮捕するなど朝飯前の土地柄なのです。職権乱用もはなはだしい。現代でもひんぱんにありますよね、こんな話。そんなこんなで人民は一触即発の状態。手始めに年老いた女ドレイが虐待されるのに反発して蜂起。女ドレイは面倒見がよく、献身的に病気の看護などしていたのです。
従順をよそおい恭しく仕えていたのですが、当主フランシスコが旅行するというので、チア・アナがリーダーとなって蜂起します。ドレイ小屋の者はカーザグランデを襲撃、全員を殺害、放火。ジェロニモを逃がします。変事をきいて帰ってきたフランシスコ当主はジェロニモによって首つりにされました。
ドレイの暴動は珍しくないのですが、女性が仕切った蜂起は唯一。しかもその残忍性においても突出しているといわれています。
いずれにしろ、大小数え切れないような暴動が起きて、それを制圧しながらブラジルは近代国家として基礎を固めていくわけです。
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