ブラジル日本移民史料館では昨年11月より今月末まで水野龍をテーマとする企画展(「ブラジル日本移民を始めた男 水野龍――笠戸丸航海日誌サンパウロ初公開」)を開催しています。サンパウロ人文科学研究所ではそのフィナーレを飾るものとして移民史料館と共催にて水野龍にまつわる講演会を計画いたしました。
講演会は前半と後半に分かれており、第一部は、大浦文雄氏にお話しいただきます。1970年にブラジルで初めてと思われる水野龍に関する企画展がスザノ市で開かれました。大浦氏はその開催に関わられ、その際水野の記憶をコロニアの中央に残すという悲願を持たれたそうです。それから46年以上が過ぎ、今回の史料館の企画展実現に漕ぎ着いたのですが、それまでの間に関わってこられた方々のほとんどが亡くなられました。大浦氏はそういった人々を偲び、これまでの経緯を回想しながら、水野龍がコロニアに残した影響についてお話しくださいます。
第二部は兵庫県在住の映像作家若林あかね氏にお話しいただきます。若林氏は関西に残る歴史建築の映像をアーカイブしておられますが、その一つがカフエーパウリスタです。水野龍がブラジルコーヒーの普及に日本で始めたカフエーパウリスタは、その1号店が大阪府箕面市にオープンされたことが近年知られるようになり、またその建物も昨年9月に解体されるまで現存していました。このことがきっかけとなりカフエーパウリスタのエバンジェリスト(伝道師)を自称するまでになった若林氏に映像を交えながらその経緯をお話しいただきます。
皆様お誘い合わせの上でご来聴下さること期待しております。
コロニア今昔物語
ブラジル日本移民史料館共催
第一部:「水野龍展と私―その上を流れた時間と人々」
話者 大浦文雄氏(スザノ福博村会顧問)
第二部:「カフエーパウリスタに魅せられて」
話者 若林あかね氏(映像作家)
日時 2017年1月19日(木)午後6時
場所 ブラジル日本文化福祉協会 9階 ブラジル日本移民史料館
入場無料 予約必要なし
大浦文雄氏プロフィール
1924年香川県生まれ。1929年両親に連れられ渡伯。1935年スザノ福博村に入植。戦後、青年仲間たちとブラジルにおける日系の理想村造りに熱意を燃やし、裏付けとして詩を書き始める。1968年福博村村会会長、以来コロニア中央組織にも広く参加。2003年日本政府より叙勲。
若林あかね氏プロフィール
1961年長崎県崎戸炭鉱の町生まれ。朝日放送、旭化成勤務を経て、1994年ビデオ制作会社設立。代表取締役兼ディレクターとしてテレビ番組、企業や博物館のPR映像を多数制作。最近では関西の歴史的建築を記録する活動を行っている。https://gmp1994.jimdo.com/