日本支部講演会『移民史から見える近現代日本人/日系人と「世界」』開催報告
日本支部事務局
quinta-feira, 29 de junho de 2017
去る5月21日(日)、大阪大学中ノ島センターにて根川幸男先生(国際日本文化研究センター機関研究員)に『移民史から見える近現代日本人/日系人と「世界」』と題して講演していただきました。
「移民とは何か?」というサンパウロ人文研が掲げてきた問いを受け継ぎ、「移民にとって移民船体験とは何だったのか?」をテーマとし、三重の帝国(日本本国、朝鮮・台湾などの植民地、南洋・満州国・ジャワ・フィリピンなどの第二次世界大戦での占領地)に加え、さらにもう一重として北米・ブラジルなどの移民コニュニティも日本帝国的な色彩が強い帝国の飛び地ととらえることができるのではないか、と四重帝国という発想を提案されました。その四重の帝国の間を行き来してていたのが移民船であり、移民船は二世の教育の場であると同時に、温帯から熱帯自然気候や寄港地の珍しい風俗・異文化を体験学習する場でもあったという興味深いお話でした。
また、参加者からの質問を交え、活発な講演会となりました。
講演会後の懇親会では、宮尾さんについて各自思い話を披露し、時には笑いに包まれながら皆さんで宮尾さんを懐かしみました。