商いをする女たち(1)
quinta-feira, 17 de janeiro de 2008

 今から二百年前の貧弱なミナス地方に金鉱が発見されて、ブラジル全国の五分の一の人間が殺到し、金を掘ることに血眼になりました。前項の「シッカ」などもそういう背景があって出現してきたわけです。野菜を栽培したり食べ物を作ったりなどと考えもしませんでしたから、壊血病になる人も多く、どんな品物でも、ミナスに持っていけば瞬く間に売れ、マスカッテとよばれる行商人が歴史の舞台に出場してきます。

 18、 19世紀は、まだ女性が家庭から一歩も出てはいけない時代でしたが、男顔負けに奥地を行商して歩いた女たちを紹介しましょう。このマスカッテという呼称は現在でも生きていて、ニッケイ集団地も、田舎廻りのマスカッテにずいぶん世話になったものです。後にビアジャンテともよばれましたが、必要なものは、彼らに頼んでもってきてもらうのです。町のニュースを村に運ぶ情報屋でもあり、結構、もてはやされていました。村の後家さんに夜這いをかけたなどの艶っぽいいハナシもあり、年頃の私は興味津々と耳をそばだてましたね。

1)アナ・フェリッペ

 ブラジルの植民地時代、ゴヤスのサン・ロマン地方で行商して歩いていました。行商というのは、奥地の住人にはなかなか便利なもので、都会に出ることなどできなかった女たちに喜ばれました。行商はもともと男の仕事ですから、男性に混じって商売をしていた気の強い女ということになります。女が仕事をすることは悪徳だった時代ですから。

 アナ・フェリッペは、ちゃんと税金を納めていました。発見された納税台帳からすると、塩を売って歩いていたようです。ゴヤスは高原ですから売っていたのは岩塩ではなかったかと思います。

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サンパウロ人文科学研究所 Centro de Estudos Nipo-Brasileiros