この度、『ブラジル日系コロニア文芸 別巻』(ブラジル日本移民百周年記念『人文研研究叢書』第8号、大浦文雄、ルネ・タグチ共著)がサンパウロ人文科学研究所より発刊されました。
2006年に『ブラジル日系コロニア文芸上巻』が発行されてから、『下巻』、そしてこの『別巻』と、コロニア文芸を概観する基本資料が完結した形になります。
『上巻』では短歌、俳句を、『下巻』では文学が扱われていますが、本書は詩文学を取り上げ、前半で、戦前戦後、そして1950年頃までの動きを大浦氏が追い、その後の流れ、および未来への展望、また最後にブラジル詩文学についてタグチ氏が後半で紹介するという構成です。
また、今月21日(土)午後二時より出版記念会が、エスペランサ婦人会サロン(文協ビル5階)にて催され、多くの方々の参加をいただきました。(写真:ページの下方)
購入希望者はサンパウロ人文科学研究所(11-3277-8616)まで。30レアル。
著者紹介
大浦 文雄
1924年10月21日 香川県生まれ。
1929年3月 両親に連れられ渡伯。
1935年 スザノ福博村に入植。
福博日語校高等科卒。
17歳の頃、島崎藤村の詩集を読み、自分でも書き始めるも、
時代的な背景もあってか、当初は暗い作品多し。
1961年 横田恭平との共著詩集『スザノ』を刊行。
農村に住みながらも、自然詠少なく、社会に目を向けた作品を中心に今も
断続的に書いている。
ルネ・タグチ(日本名・田口定之)
1932年 東京・下谷生れ。
1951年 東京外語大スペイン語(専)卒。
1956年 ブラジルに単身移住。
1961年 RENÉ名によりカトリックの洗礼を受ける。
1973年 ブラジル国籍取得。
着伯時よりサンパウロ市在、各日系新聞やレジャー誌(オーパ、プン
パ)、週間時報などに詩文、エッセイ、史記を寄稿。他に筆名として芥
田遊記(史話)、風来(俳号)、入谷町子(宝飾)を使っている。
監修 宮尾 進
右側より宮尾氏(当研究所顧問)、大浦氏、タグチ氏、鈴木氏(当研究所所長)